トルコ国籍の取得方法は、トルコ国籍法(第5901号)が定める経路のどれに当たるかで決まります。出生による取得、すなわち血統と出生地による取得は申請ではなく、出生の時から国籍があり、手続はそれを確認するだけです。それ以外の帰化、婚姻、投資、養子縁組、選択権による取得は権限ある機関の決定によるもので、要件を満たしても取得の絶対的な権利は生じません(第10条第1項)。日本国民にとってもう一つ決定的なのは日本の国籍法です。国籍法第11条第1項は「日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」と定めており、トルコ国籍を申請して取得すれば、その時に日本の国籍を失います。
根拠:トルコ国籍法(第5901号)と同法施行規則の統合本文、日本の国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)。
トルコ国籍にはどのような取得経路がありますか?
トルコ国籍法は、出生による取得と、出生後の取得の二つに分けます(第5条第1項)。出生後の取得は、権限ある機関の決定、養子縁組、または選択権の行使によって生じます(第9条第1項)。
| 経路 | 根拠 | 主な要件 | 決定 |
|---|---|---|---|
| 血統 | 第7条 | 婚姻中に出生した子で母または父がトルコ国民であれば、国内外を問わずトルコ国民。婚姻外の子は、母がトルコ国民なら出生によりトルコ国民、父がトルコ国民なら血統を確定する手続の完了で取得 | 出生の時から、決定を要しない |
| 出生地 | 第8条 | トルコで生まれ、外国人である父母のためにどの国の国籍も出生により取得できない子。トルコで発見された子はトルコで生まれたものと推定 | 出生の時から |
| 通常の帰化 | 第11条 | 申請日からさかのぼって5年間中断なくトルコに居住、行動による定住の意思、十分なトルコ語、生計を営む収入または職業、善良な素行、公衆衛生上危険な疾病がないこと、国家安全保障及び公の秩序上の障害がないこと | 県の審査委員会を経て内務省 |
| 例外的な帰化 | 第12条 | (a) 産業施設をもたらす者、または科学、技術、経済、社会、スポーツ、文化、芸術の分野で特別な貢献をした者、(b) 投資家の居住許可を得た者とその家族、(c) 帰化が必要とみなされる者、(d) 移民として受け入れられた者 | 大統領決定 |
| 婚姻 | 第16条 | トルコ国民と3年以上婚姻し、婚姻が継続していること、家族として共同生活を営むこと、婚姻と相容れない活動をしないこと | 県の審査委員会を経て内務省 |
| 養子縁組 | 第17条 | 成年に達しない者がトルコ国民の養子となること | 決定の日から |
| 選択権 | 第21条 | 親に従ってトルコ国籍を失った子が、成年に達してから3年以内に行使 | 決定の日から |
取得の決定は、申請の日ではなく決定の日から効力を生じます(第20条第1項)。通常の帰化の年齢と判断能力の要件は、日本の国籍法第5条第1項第2号と同じく、申請者の本国法によって判断します(トルコ国籍法第11条第1項(a))。
トルコ国民と結婚した場合、トルコ国籍はどう取得しますか?
婚姻そのものはトルコ国籍を直接には与えません(第16条第1項)。トルコ国民と少なくとも3年間婚姻し、その婚姻が継続している外国人が申請でき、家族として共同生活を営むこと、婚姻と相容れない活動をしないこと、国家安全保障及び公の秩序上の障害がないことが条件です。申請後にトルコ人配偶者が死亡して婚姻が終わった場合は、共同生活の条件は求められません(第16条第2項)。婚姻が無効とされても、婚姻の時に善意であった者は取得した国籍を失いません(第16条第3項)。日本国民がこの経路で申請して取得すれば、その取得は自己の志望によるものですから、日本の国籍法第11条第1項により日本の国籍を失います。
投資によるトルコ国籍の要件と金額は何ですか?
トルコ国籍法第12条第1項(b)により、外国人及び国際保護法(第6458号)第31条第1項(j)の投資家の居住許可を得た者は、その外国人配偶者、本人と配偶者の未成年または扶養を受ける子とともに、大統領決定によりトルコ国籍を取得できます。施行規則第20条第2項が七つの投資経路を定め、金額はいずれも確認日のトルコ中央銀行の為替相場で算定する最低額です(第20条第6項)。
| 経路 | 最低額 | 保有条件 |
|---|---|---|
| 不動産の購入 (b) | 40万米ドル | 不動産登記簿に3年間の売却禁止の注記(şerh) |
| 銀行預金 (ç) | 50万米ドル | トルコリラで3年間 |
| 国債等 (d) | 50万米ドル | 3年間 |
| 不動産投資ファンドまたはベンチャーキャピタル投資ファンドの持分 (e) | 50万米ドル | 3年間 |
| 個人年金(BES)への拠出 (f) | 50万米ドル | 制度内で3年間 |
| 固定資本投資 (a) | 50万米ドル | なし |
| 50人の雇用 (c) | 50人 | なし |
居住期間、語学試験、面接はなく、生体情報の登録のために一度短く来訪するだけです。準備の整った案件は通常3〜4か月で終わり、公式の処理の目安は3〜6か月です。不動産の経路では、売主はトルコの自然人または法人でなければならず、他の国籍申請に使われた物件は認められず、抵当権や処分制限の注記がある物件は申請を止めます。トルコの銀行からの借入金は投資額に算入されません。2026年9月28日からは、資本市場委員会(SPK)が認可したすべての評価会社の報告書に基づいて国籍取得の基準額確認書(TTB)が発行され、TTBと国籍取得を含む登記申請との間の期間は6か月から12か月に延びました(土地登記・地籍総局の通達第2024/4号、TKGMの統合本文)。売主が不動産投資会社(GYO)であればTTBは引き続き不要ですが、国籍取得目的の売却には、KAPで公表した当該物件の鑑定報告書か、WebTapuまたはTADEBİSで依頼した新しい報告書が必要です。TTBが6か月を過ぎて止まっていた購入も、12か月以内であれば先へ進められます。申請書類は施行規則第20条第3項が列挙し、その中に犯罪経歴証明書はありません。
日本は米国のE-2条約国の一覧に1953年10月30日から載っており、トルコは1990年5月18日からです。ただし、投資によって国籍を取得し、過去にE資格を与えられたことのない者は、その国に継続して3年以上住所(domicile)を置いた後でなければ、その国籍によりE-2を申請できません(8 U.S.C. 1101(a)(15)(E)、Pub. L. 117-263第5902条(b)による改正)。トルコ国籍の取得で日本の国籍を失う方は、この3年を先に計算する必要があります。私どもが弁護士として投資による国籍取得を扱う方法は投資によるトルコ市民権取得の弁護士のページに、取得後の取消しについては投資によるトルコ市民権の取消し・無効化のページにあります。
トルコと日本の二重国籍は認められますか?
トルコ側は認めています。トルコ国籍法は外国人がトルコ国籍を取得する際に元の国籍の放棄を求めておらず、外国の国籍を取得したトルコ国民については、書類を提出すれば家族登録簿に多重国籍である旨が記載されるだけで、トルコ国籍は失われません(第44条第1項)。
日本側は別です。日本国民が自らの志望でトルコ国籍を取得すれば、その時に日本の国籍を失います(国籍法第11条第1項)。出生により両方の国籍を持つ場合は事情が異なります。父母の一方が日本国民で他方がトルコ国民である子は、出生の時に日本国民であり(国籍法第2条第1号)、同時にトルコ国民でもあります(トルコ国籍法第7条第1項)。この子が国外で生まれた場合、戸籍法の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、出生の時にさかのぼって日本の国籍を失います(国籍法第12条)。二つの国籍を持つ日本国民は、18歳に達する前に重国籍となったときは20歳に達するまでに、18歳に達した後に重国籍となったときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければなりません(第14条第1項)。日本の国籍の選択は、外国の国籍の離脱によるか、選択の宣言によって行い(第14条第2項)、トルコ国籍の離脱はトルコ国籍法第25条の離脱許可(çıkma izni)による別の手続です。
家族は一緒にトルコ国籍を取得できますか?
投資の経路では、第12条第1項(b)が配偶者と、本人及び配偶者の未成年または扶養を受ける子を、追加の投資なしに含めます。条文の接続詞は「または」ですから、成年に達した子も扶養を受ける子として含まれ得ますが、扶養の関係は申請前に書類で整えます。子がどちらに当たるかは申請日に定まり、親と一緒に手続されなかった子は、成年に達した後に自ら申請するとき、5年の居住を要する通常の帰化によります(第20条第3項)。その他の経路では、親の取得は配偶者の国籍に影響せず、親の監護下にある子は他方の親の同意により取得し、同意がないときは親の常居所がある国の裁判官の決定によります(第20条第2項)。
案件は国籍と居住の事実から始まります
ご依頼は WhatsApp +90 530 127 59 35 またはメール info@serkalaw.com でお受けします。ご依頼を受けると、当事務所はご本人とご家族それぞれの国籍、トルコに住所を持った時期、婚姻の日付、そして投資を考えている場合は資金がいまどの国のどの通貨にあるかから案件を始めます。日本の国籍法第11条、第12条、第14条のどれがかかわるかは、この事実で決まります。投資の経路では、売主が誰か、登記簿上の負担、鑑定とTTB(2026年9月28日の通達)、または銀行が預金を受け入れるかが、申請の成否を分けます。
本ページは、2026年9月30日に読んだトルコ国籍法とその施行規則、外国人及び国際保護法、土地登記・地籍総局の通達第2024/4号、日本の国籍法及び米国法典の原文に基づく一般的な情報であり、個別の案件に対する法律意見ではありません。委任関係は委任契約の署名によってのみ成立します。